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エレクトーンのリズムパターンの進化

リズムとは

初期のエレクトーンは、オルガンの色あいを残しつつ、音色を変えられる程度のものであったのかもしれない。音色数や設定が多様になったことで表現が豊かになった一方、奏者をサポートするリズムパターン、そして自動伴奏パターンをなくしては、エレクトーンを語ることは難しい。

リズムパターンとは、一番シンプルな機能で考えると、

ピアノでいうメトロノーム

OpenClipart-Vectors / Pixabay

にあたるだろうか。演奏速度に合わせて拍数を合わせるためのものであり、ここに打楽器やドラムをひとまとめにした機能である。マーチングバンドやサンバ、8ビートなどの基本的なリズムパターンが用意されたものの、

固定パターン

だったため、初期の段階では利用されてたとは言いがたい部分もある。

バリエーションパターン

楽曲のドラムにおいても、一つのフレーズの中で最初と最後の小節はパターンが変わる場合が多い。FSFX時代に取り入れられ始め、現在では

スタイルファイル(SFF)の規格

Clker-Free-Vector-Images / Pixabay

に基づいて、一つのリズムに15パターンのバリエーションを組み込んでいる。ここは細かい箇所なので、後述とする。

裏技

固定パターンしかなかった頃の裏技的なものとして、2つのリズムパターンをミックスするというものがあった。通常はリズムパターンのボタンを一つだけ押すところを、2種類を同時に押してやると、2つがミックスされたような別のリズムパターンができる。

機能が限られていただけに、割と有名な話

ractapopulous / Pixabay

のようだ。

また、フレーズの最後のパターン(フィルイン)をリズムの途中でかけて、途中からパターンを変えてしまうというのは、今でも即興演奏などで使われる手法でもある。小節の途中でフィルインをかけることで、以降のリズムをカットするとか、次の小節の頭にシンバル音を入れるなど、昔の機種であればあるほど、裏技的なものは生み出されたようだ。

シーケンス

レジストのメモリがなかった時代には当然であったが、曲の中途でリズムを変えるのはなかなか大変なことである。これを解消するために、リズムシーケンスプログラマーなる機能がFSFX時代には登場した。1小節ごとにリズムを登録しておいて、演奏時には自動でリズムパターンが変わるという仕組みで、これにより、

演奏者は演奏のみに集中する

Robert_z_Ziemi / Pixabay

という棲み分けが進んだ。

レジストシーケンス

さらに、リズムに合わせてレジストも変更できるようになったのは、正確にはステージアが登場してからと言えよう。プロトタイプはHSHX時代に遡るが、当時の機能は拍数単位だったことで、便利な機能であったにしても不評だった。EL時代には一度なくなり、ステージアでは十分な機能として復活することとなった。

まとめ

エレクトーンの特長としての、

「弾くだけで豪華な演奏」

という部分は、現在のエレクトーンでほぼ完成段階に入っていると言えるでしょう。シンセサイザーレベルのことはできないにしても、かなりのことが実現できるようになっているはずです。それゆえ、

「弾くだけの音楽ゲーム」的な捉え方

By: Dick Thomas Johnson

もされますが、確かにあるでしょうし、そういうユーザもいます。

楽譜とレジストデータを購入して豪華な演奏ができる、これもエレクトーンの特長であり、自分で楽譜を書いて音色も手作りでできるのも、もちろん

エレクトーンの持っているポテンシャル

です。