スポンサーリンク

エレクトーンがシンセサイザーに近くなっていく…

アナログ時代からデジタル時代へ

エレクトーンの進化で、大きな進化は、FSFX時代からである。ただ、このときには音色選択や音量のデジタル化が行われたにすぎない。盤面に出ている音色やリズムなどを選ぶという作業で、

機能的には有限と言えば有限だった

無限への第一歩を踏み出したのはHSHX時代であろう。このとき登場したマルチメニューは画期的で、その時代の下位機種にも搭載された。くるくる回して音色や設定を変更できるのだから、この

システムだけ見ても機能は格段に広がった

DariuszSankowski / Pixabay

と言える。

ユーザーボイス

音色に関しては、

盤面にない特別な音色を取り込めるようになった

あくまでもヤマハで販売されている音色ということだが、ハイクラスユーザーが多用したことであろう。頂点を目指すユーザーであれば使いたくなるはずだ。

そして、

音色を変更できるシステムも追加された

シンセサイザーのように

0から音を作るということはできず、既存の音色を修正するレベル

ではあるが、今までにできなかったことが実現できるようになったのであって、衝撃を持って受け止められた。根底の音色を変えるというよりは、発音や減衰音のタイミングを変更したり、ノイズを追加・除去するなどの変更ではあるものの、

無限の可能性を作りだしたのであって、エレクトーンの一つの分岐点でもあった

tpsdave / Pixabay

音源の変更によって、修正できる部分が変更になることはありつつも、現在まで拡張されながら引き継がれている。

ユーザーリズム

同様に、

リズムも作れるようになった

こちらは、既存のリズムの変更はもちろん、0から作り出すこともできるようになった。旧来の裏技でリズムを変更していたやり方も、ユーザーリズムとして組み込むことができるようになり、リズムシーケンスとともに、今のエレクトーンに欠かすことのできない機能となった。初期の頃は、楽譜とともに、打ち込み用のリズムパターンも提示されていたが、

現在は、レジストレーションの一部として販売されることのほうが多くなった

geralt / Pixabay

データ容量も増え、細かいフィルインパターンまで実現できる。

ユーザーリズムの出現によってなくなったもの?

当時のエレクトーンプレーヤーであればご存知だろうか。今でこそ、多様なリズムパターンが組めるのでドラムは必要ないのだが、

FSFX時代の発表会ではドラムが登場することがしばしばだった

エレクトーン固有のリズムパターンでは面白みがないため、アンサンブルなどでは、複数のエレクトーンとドラムで演奏する。エレクトーンがドラムに合わせるのが本筋だが、ドラムがエレクトーンの演奏に合わせているように見えることも多かったのは事実である。

もう一つ、シンセサイザーの出番も減った。当然、効果音などを出すには専らシンセサイザーの出番であったが、多くの効果音自体がエレクトーンから発音するようになり、お役御免となった。これは至極当然の流れであろう。

まとめ

昔のエレクトーン発表会を経験したことがあれば、なるほどという内容ではないでしょうか。

毎年、ドラムのおじさんとリハーサルで顔を合わせていたものです

幼いメンバーであれば、ドラムのおじさんが演奏に合わせてリズムを打つこともありましたが、現在では、シーケンスに組んだリズムをメンバーの誰かがスタートする、という流れ。

何か大切なものを失ったような感覚さえします

一人の演奏ではシーケンスからのリズムで十分な気もしますが、アンサンブルとドラムの掛け合いで演奏するスタイルは、やはり見ごたえのある演奏です。逆に、

シーケンスを抜け出してドラムとエレクトーンが組む、というのが

「新しいスタイル」として受け入れられるのでは

と思います。