コードのマジック
現代音楽では1オクターブの音程は12音です。コードはこのうちの3音ないし4音で形成され、明らかな不協和音を除外すればかなり限られます。それが、根音から1オクターブ以上離れてコードに付随した時には効果的な響きを奏でることがあるわけで、本当に不思議なものです。
半音差での差異
一般的なコードでも、半音違うだけでまるで別物になります。例えば、CとCmです。3和音で考えた時に構成音は以下となります。
C:CEG、Cm:CE♭G
第二音が半音違うだけです。メジャーコードは長3度、マイナーコードは短3度です。
同じように、テンションコードにおいても、半音の違いだけでも、まるで違う響きになったりします。まして、オクターブ下に配置したら全くの不協和音でしかない音が作用するのです。離れているからこそ使えるのですが、だからこそ、取り扱い注意ではあります。
#9thの響きに魅了
9th→実質長2度であり、7thを使わずにadd9としても利用可で、幅の広いテンション。メジャーコードではadd2としても可能。基本的にはどの場面でも使えますが、マイナーコードは9thの長9度と3rd(短3度)が短9度の関係になるので、響きとしてはマイナーコードはかなり閉塞感があります。
9thの例
以下の曲では、9thが多用されています。特に、要所で使われるトニックのE9などの響きは、拡張高く留まっている感じを受けます。
#9th→通常はドミナントでの使用に限られますが、メジャーのドミナントの響きにマイナーと同等の響きが加わり、独特の強いドミナントコードとなります。作曲者によっては好んで使われるようです。
#9thの例
途中、何度かB7(#9)が出現しますが、根音はベース音、左手で3度、7度、#9度です。既存の参考コード表を見るとE7(9)と書かれるサイトもあり、これは9thの音ではないのに…というところから、実際に音をとってみたのが始まりです。
80年代のヒット曲ですが、テンションコードの使い方がなかなか面白いと思います。アカンパニメントも自作すると勉強になります。