エレクトーンの先祖?
電子オルガンの仲間としての立ち位置のエレクトーン、つまりオルガンから派生している。では、電子オルガンは、いつ生まれたのか?
さかのぼること80年以上、
1934年に発売された「ハモンドオルガン」
が一番の先祖というべき電子オルガンと言われている。当時活躍していたパイプオルガンやシアターオルガンを、
「もっと手軽に、家庭でも」という発想から
出てきている。
その当時から、ペダルの鍵盤も存在し、パイプオルガンなどと同じように、両手の鍵盤と足で演奏されていた。
初代エレクトーン
日本での電子オルガンは、1957年から開発が進められた。電子楽器のオールトランジスタ化の研究が進められており、その流れでトランジスタモジュールを使用した電子オルガンとなった。
初代機は1959年12月、型番はD-1。
足鍵盤を持ったスタイル、音の余韻を残すサスティン機能などは、当時のオルガンを踏襲するかたちになった。
このときの鍵盤が、上下2段の手鍵盤で、それぞれ49鍵、1オクターブのペダル鍵盤(13鍵)であり、これは、
現在のエレクトーンでも標準
となっている。
普及期の出現
その一年後、一般向けのモデルも次々と発表され、自宅で手軽に演奏できるという提案がうけ、日本の家庭にも勢いよく浸透していった。商品名としての
「エレクトーン」は、電子音「Electoric Tone」からの造語
であるが、後々、電子オルガンの普通名詞と間違われるほどに、知名度は上がっていった。
当時、米の販売価格が900円前後だったことを考えると、
普及期12万8,000円
というのは決して安い買い物ではなかったことはうかがえる。
エレクトーンの音質はどうであったか?
当時のヤマハ社長は、エレクトーンの音について、こう表現している。
まだまだ生楽器を表現するにはほど遠く、鍵盤を押すと音が発生し、鍵盤を離すと音が切れてしまう。音楽として表現するためには、改良する点にあふれていたという。そして、エレクトーンの開発は進むとともに、音の質を求める研究も進められ、エレクトーン史に大きく変化をもたらしたGX-1の登場以降、
演奏機種としてのエレクトーンと、
音質を求めるシンセサイザー
の二手に大きく分かれていくことになる。
まとめ
電子オルガンとしてのエレクトーンは、進化した現在も
「手軽に音楽を」という遺伝子
は受け継いできているように思われます。オルガンそのものの音を出す機構も以前として残されていること、オルガン系の音色も充実していることからも分かります。当時の世の中ではエレクトーンの登場がかなり衝撃的だったために、
ということでしょう。
Zewd