ヤマハ音楽教室の実態
今年から各コースが改訂され、実質に見合った形態をとるようになったようだ。一番の基本となる幼児科については、コースの変更の余地はないのだが、その後の
と言っていい。
幼児科を卒業すると、通常はジュニア科に進むのだが、幼児科で秀でたものが見えた子がいる場合、
特別コースに誘導
される。これが
ジュニア専門コース、通常J専だ。
このコースは基本的には
先生の推薦とオーディションが必要
で、かなり専門的な指導を受けていくコースとなる。ちなみに、ここ数年はオーディション不要の期間があったが、今年から、再度、オーディション必須となり、本来の特別コースの色合いが戻るようである。
それ以外は、いわゆる、普通のジュニア科でグループレッスンを進めていく。グループレッスンではなく、ピアノや個人を専門的にやりたい場合は、個人レッスンを選択する場合もあるが、多くはグループを選択するようだ。
総合コース
今年春から、
「ジュニア総合コース」
という新しい構想が立てられた。元々、J専も、
グループレッスンと個人レッスンを併用
するコースではあるが、総合コースも併用するコースであり、通常のジュニア科とJ専の中間的立場として立てられたようにみえる。実際、J専がオーディション必須に戻ったことにより、
先生の推薦があれば行けるコースとして、準J専
という立ち位置なのかもしれない。
J専の浮沈
初期のJ専からは、多くの優秀な人材を輩出している。コンクールなどで
入賞している人の多くが、このJ専出身者
であると言っても過言ではない。特に、作曲を中心としたJOC(ジュニアオリジナルコンサート)は、専門的に作曲を行うJ専が圧倒的に有利である。
ところが、以前のJ専出身者から見ると、明らかにJ専のレベルは落ちたと言われていた。
少子化などにより、幼児科の実数も減る中、
J専のグループを組むことができなく
なり、そこからオーディションを廃止して何とかJ専の維持を図ろうとしたが、結果的にJ専のレベルの低下を招いた、という話も多く聞かれる。
そのあたりの話からすれば、今回の
総合コースは順当な流れ
ではなかろうか。J専を組める人数がいればJ専を、そうでなければ、総合コースでレッスンの質は高くできる。ただ、元々グループレッスンを維持する人数がやっとだった音楽教室、特に地方の教室は、レベルの高い総合コースを組もうとすれば普通のジュニア科グループが組めなかったり、総合コースを維持できずにグループ自体が解散してしまうという弊害も生んでいるようではある。
まとめ
でもあります。多くのコースが設定されることは望ましいのですが、学年があがるごとにピラミッドのように減っていくのはやむを得ません。そのときにコースによっては欠員でグループが維持できない、そしてグループ再編、となると、子供たちにとってもなかなか大変でしょう。
実際にグループの解体や編入を目の当たりにしたことはあるのですが、やはり、
せっかく慣れた環境や友人、先生が変わってしまう
のは、特に小さい頃であればあるほど、苦しいものです。同じコースのグループに再編することはもちろん重要なのですが、信頼できる先生であれば、
先生を変えずにコースを変更する、という選択肢も結構重要
だったりするのです。