エレクトーン業界の未来は?
一昔前は、エレクトーンって割と知られた楽器でした。ピアノに次ぐぐらい。ヤマハさんが一気に売り出し、団塊ジュニア世代の音楽教育需要と一致したような時期がありました。その全盛期の勢いは見る影もありません。
「エレクトーンってなあに?」という人がエレクトーン演奏を見て驚くのは容易に想像できますが、演奏を豪華にする機能に頼りすぎてしまうところは懸念されるところです。もちろん、演奏の付加価値を高めるものは十分利用すべき一方、演奏力はしっかりつけなければなりません。今のエレクトーン用の楽譜を見ると、白玉が増えたという人もいます。特に左手やベースパートがコードを押さえたままになりがち、要は簡単な楽譜になったんじゃない?ってということです。自動伴奏を有効に活用するためにはその方法も必要です。伴奏パートでしっかりリズムを刻む能力も必要です。
某曲で有名になったYoutuberも
エレクトーンで育ってきた人にとっては、テレビなどの露出で、「天才エレクトーン少女」と言われても「たいしたことなくね?」と思われる方も多いと聞きます。5級レベルを目指してやってきた人にとってはごく普通の演奏に見えます。あれくらいで全国区のテレビに出演できるなら、うちの姉は…とか、そういう僻み的なものもあるかもしれません。15歳で人を魅了できる演奏をしているという点は確かなのでしょう。
上には上がいると言ったらきりがありませんが、Youtubeで全世界のコンクールを見れば、圧巻の演奏、全く別物です。エレクトーンをやってきたものとしては、そちらを「天才」として扱ってほしいのは当然のことですが…実際には、費用対効果なのか、マスコミや映像媒体はそちらの世界を照らすことはないようですね。あるいは、あまりエレクトーンの宣伝っぽくやってはいけないんでしょうか…。
今後のエレクトーンの進化
いずれにしても、エレクトーンが世の中に出ていくことは嬉しいことです。ELS-02シリーズが発売されて既に5年経ち、エレクトーン業界も話題に欠く時期であるかもしれません。頻繁に出たらそれこそ、またか、となりかねませんから、適度に露出する機会はあるんだろうなと思います。今の流れで行くと、ELS-03シリーズが2024年に発売になるのでしょうか…もう必要な機能は満載しているので、エレクトーンの進化という点ではもう来るところまで来たという感じます。FSシリーズやHSシリーズが活躍していた頃、「こんな機能があったら…」というのは常に感じながらでしたが、今はそれを探そうにも…。