ヤマハのエレクトーン
あくまでもヤマハの登録商標のため、
販売できるのはヤマハの代理店
となる。ゆえに、実際のものを見ようとするならば、ヤマハの販売店を訪ねるのが一番早い。
中古となるとまた別ではあるが、ヤマハの中古買取がそれほど値が高くないため、
オークションにも多く出品
されている。型番落ちの機種であれば定価の3~5割程度、現行モデルで6~8割程度が相場であろうか。ただ、最近のモデルチェンジのスパンが大きく見ると10年と長いため、
経年劣化は否定できない
ので、要チェックが必要かと思われる。
ステージアシリーズ
現行のエレクトーンは、ステージア(STAGEA)と呼ばれるモデルで、2004年のELS-01シリーズに続き、
2014年からELS-02シリーズが主力
となっている。また、以前のエレクトーンの大きな課題であった互換性については、ステージアは上位互換性を維持しており、02シリーズが中核となった現在も01シリーズも活躍している。
それ以前のEL型番(1991年~)のエレクトーンの音色データについては、ステージアで読み込み可能となっているものの、内臓システムの違いや元々の音色の違いから、完全に同じ形での再現は難しくなっている。とは言え、15年前のデータがある程度の形で再現されるのであるから、この業界においての大きな進歩とも言えなくはない。
10年ぶりにモデルチェンジとなった02シリーズにおいては、既にXG-Wokrsなどのキーボードに搭載されていた
スーパーアーティキュレーションボイスが、エレクトーンに初めて導入
された。実際に生の楽器の音をサンプリングしており、演奏においては、楽器の独特の音の出し方を演奏に取り入れることができる。エレクトーンユーザが長らくの間嘆いていたピアノ音も
したものとなり、一気に本物に近い音で演奏が可能になった。
上位下位モデルの流れ
ステージアも第二世代に入り、
「エレクトーンとは何か?」
という問いに答えを返すべく、シリーズのモデルも体系化されてきた。
一つの流れは、ELSシリーズであり、カスタムモデルを基準として、下位のスタンダードモデル、上位のプロフェッショナルモデルが存在する。プロフェッショナルモデルは、上下鍵盤がフル鍵盤(61鍵)、ペダル鍵盤も2オクターブ(25鍵)を持つ文字通りのプロユースモデルであり、足と手をフルに活用して演奏する姿が思い浮かぶ。また、下位のスタンダードモデルは、カスタムモデルから一部機能を削ぎ落とした構成になっており、エレクトーン初中級者向けと言える。
重要なのは上位互換性であるとともに、
アップグレードができる点
であると言える。最初はスタンダードモデルで、息が長くなったところで、カスタムモデルにエレクトーン本体の中枢部を交換することで、アップグレードができる。ELS-02→ELS-02C→ELS-02Xという流れ。これは、ステージア初代のELS-01シリーズから受け継がれている。
まとめ
昔のユーザであればあるほど、未来性や互換性の話にはため息をつくものです。一番モデルチェンジが激しかった頃は、3~4年でコロコロと変わっていき、互換性などというものは皆無に等しかったのです。当然、パネルの操作だけの機種であれば、手作業で音色データをいじるのですが、ある程度デジタル化が進むと、そうも行っていられない訳です。
おまけに、同時期のモデルなのに上位互換も下位互換もない機種さえ登場し、
現場は途方に暮れていました。
やはり、この辺りでも、
エレクトーン離れを助長していた
という意見は強いのです。仮にも
お客さまですから、大事にしなければならなかった
のです。