とにかく機能満載になりつつエレクトーン
大昔にエレクトーンは、電子オルガンという名そのもの。音色が変えられるオルガンという域でした。昭和時代は音色レバーとかボタン、とにかく演奏中にも音色や効果を変更するために忙しい楽器、それを変えた画期的な機能がレジストレーション(以下、レジスト)。盤面の音色や設定を記憶させ、レジストのボタンを押せば一発で呼び出せるという機能で、今となっては、「それがなかったら演奏にならないじゃん…」くらいのものです。そして、今のエレクトーン、最新機種は6年前のモデルですが、これ以上必要な機能を探すのが大変なくらいです。
レジストの機能
レジストの機能はFSシリーズから本格的にスタートしていますが、このときに5個のレジストとプリセットの4個のレジストが用意されています。レジストとしては9個使えるものの、電源を一度切ると下段のプリセットのレジストはデフォルトの音に戻ってしまいます。なので、外部記憶(この時代は外付けMDRかRAMパック:FS-30Aのみ)に記憶しない限りは消えてしまいます。画像は精細なものがありませんでしたのでボケています。
赤い「M.」のボタンはメモリーボタン、記憶するときに使います。右下の「C.」ボタンは全く使ったことはありませんが、盤面のレバーに音量を合わせるためのボタンのようです。FSシリーズでは、音量をレジストに記憶しますが、レジストを呼び出したときにレバーの位置は復元されません。盤面の音色はそのままに、現在のレバーの位置に音量などが合わされます。
そして、問題の「D.」ボタン、ディスエーブルボタンですが、一見中途半端と思う機能なのに最近の02シリーズまで受け継がれている機能です。ディスエーブルをONにしておくと、盤面のリズム関係・ABCなどの設定をそのままになります。レジストを変更しても、音量などの変更だけにとどまることになります。これってちょっと問題ありますよね。リズムを変えずにABCはレジストに依存してほしいというとなると途端に使えない機能になってしまいます。
ディスエーブル
改善されたのはレジストが機能として追加されてから数十年すぎて、テンポディスエーブルという機能が追加されました。ディスエーブルの機能としては変わりませんが、リズム関係とABCを一括して固定されるモードと、テンポだけを固定する2つのモードが選択できるようになりました。これは評価できる改善です。もっと早く…と言いたくなるところではあります。
ディスエーブルの今後
恐らく、要望としてはディスエーブルで固定するものを選択できれば…ということはあがっているはずです。ただ、そこまで使用する機能ではないでしょうし、優先度はかなり低いでしょうから、このままのかたちで引き継がれるのかなという印象です。一部の機能だけを使っていればいいのですが、複数の機能を使っている場合は一緒に固定されてしまいますからね…。ニーレバーで操作するものもそうですね。リードスライドの切替で使いたいのにサスティンも一緒に動いてしまうとか…。改善するにしては地味すぎますね…ほしいですけど。
ともかく、一番必要とされたのはテンポディスエーブルで、それが実装されたのは喜ぶべきところですね。