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作曲というトラウマとの戦い~エレクトーンのレッスンで得たこと~

ヤマハでの十数年間

ヤマハで長きに渡って、エレクトーンを習ってきたわけです。現役から四半世紀近くが過ぎ去ろうとしているわけですが…。

レッスンのでは、エレクトーンを弾くばかりでなく、初見演奏、アレンジ、伴奏付けなど、身につけたものは様々です。最低限、相対音感は必要で、実際に絶対音感を持てたのは大きいことです。やろうと思えば大体は耳コピできます。それがなければ、エレクトーンを再開しても弾くだけに終わってしまい、未来がありませんね。

音感の鈍り

最近は絶対音感はかなり鈍っているのを感じつつも、相対音感さえ鈍っているように感じるのは苦しいところです。ただ、音感が鈍っていると感じる一方、よくよく考えてみると、平易なコードはそれほど問題はなく、以前であれば自分が取り入れる必要のなかったものを取っているからなのかもしれません。それが、速いフレーズだったり難しいコードだったりするわけで、要は現役のときより難しいものにトライしている点が実際のところです。実際には耳にしていても、理論を知らなくて聞き分けられなかったものもありますね。ハーフディミニッシュや9thなどのテンションコードはここ最近まで理解していなかったわけで。

やはり成長の原因はグレードと発表会か

能力として見についた多くは、グレードの存在もかなり大きいですね。カデンツは普段から基本として押さえる内容ですが、グレードに照準を合わせて必要最低限に学んできた感じがします。編曲も、グレードないし発表会で取り組まなければ普段からやるわけでもなく、作曲についても同じことが言えます。我ながら編曲はよくやってきたと思います。グレードの度に何とかクリアし、発表会用などで、3度ほど編曲、というかオーケストラ用の楽譜をエレクトーン譜にまとめたのですが、そういう過程はよかったと思います。

唯一の挫折

挫折したのは、主に作曲ですね。これは5級グレードにも直結する内容で、途中まで進めるも2度3度と、諦めるに至った経緯があります。実際には、レッスン当日まで全然進める気にもならず、付け刃的に作ったもので怒られる、という感じでした。ただ、やれと言われても、作曲の理論なんて全然教わってないです…今までで習ったことで何となく作ってみるにすぎないので、自力でまとまるわけもなく…何か消化不良。おそらく、習ってるだけで作曲もこなしてしまう子はいるんでしょうね。

なので、作曲となると、何かアレルギーのように自分の中で戦いが起こります。作るだけの力はあるのに…それでも、結局は一つの曲にまとまらないはず…どこかにそういう思いか潜んでいます。事実、フレーズとしては思い浮かんでメモしたりすることもあって、曲の一部としては十分に成り立っています。そこから膨らませたり、他のフレーズと相まって曲が形成されるわけで、それもうまく行った試しがない。

挫折を越えて

で、考えました。令和の新時代、というかコロナ禍で新しい生活様式が求められ、今こそ新しいこと、今までなし得なかったことをやろう、と。おうち時間が増える中で何かできることを…と考えてみると、一つには娘たちにエレクトーンの復活、もう一つは作曲へのチャレンジでした。幸い、今まで溜めてきたフレーズもいつくかあり、候補として3曲くらいは挙がりました。

3曲くらいの想定で、それぞれ手掛けた始めたものの、1曲はまとまりがなくて断念、もう1曲にかなりの力を入れたもの、つながりとバランスがうまく行かず断念…結局、一番ノーマークだったものが最後に残り、今の知識を最大限注力しての楽曲となりました。メインテーマは伴奏付けまで最初からイメージがありましたが、やはり、つなぐ部分は他の楽曲のコード進行を手本にしながらで、他の2曲からすれば、「繋がってしまった」という感じでした。

生涯初の自作曲に

もう少し、何か手を加えたかったのですが、これ以上突っ込むとかえって楽曲としては崩壊してしまうかも…というところで落としどころをつけました。5/4拍子がメインフレーズ、しかもGm9やドミナントのオルタードテンションをねじ込んだ感じさえしますが、ここ数年の音楽理論の知識がなければ実現しない曲であることは間違いないですね。

(Not in Sight : https://youtu.be/hAxhmqrHECw)

→直訳:先が見えない

副題~コロナ禍の戦い~
先の見えないコロナ禍の戦いのイメージをモチーフにまとめました。 不協和音のコード、複合拍子と変拍子を行き来しながら、どこにぶつけることもできないもやもやもどかしさをメロディーにのせました。 耳コピや既存の曲を弾くのがメインですが、「生活スタイルから何から考え直さないといけない時代」を迎え、インスピレーションが一つの楽曲にまとまったので弾いてみました。