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テンションコードの響き(9th)

コードとは

ここでコード理論を書くと内容が果てしなくなるので…ここでは基本は割愛します。

普通にコードというと3音または4音の別の音を重ねたもので、和音と言われるものです。最初に教わるのは、ドミソードファラーシファソの3和音のものでしょうか。ヤマハのピアノ・エレクトーンで最初に教わるのは3和音が基本になります。一般的な音楽では、4和音が基本になるでしょうか。

テンションコード

4和音では1度、3度、5度、7度の音が重ねられ、ここまでが1オクターブの範疇です。その上に重ねる9度、11度、13度の音も存在しますが、アボイドノートもあって、必ずしも全てのコードでテンションコードが利用できるわけではありません。そのあたりも含めて、テンションコードが利用できるかどうかはコード進行を理解する上で重要な視点になります。

9度(9th)

ロックやポップスなどで様々な場面で使用されます。ドミナント以外のコード進行でも多様でき、メジャーコードでは安定感や壮大感、神秘的な響きが加わり、マイナーコードでは不安定感、深刻な響きが加わります。7thを使用せずに三和音に9thのみを加える(add9)場合もあります。テンションとせずに2度として加える(sus2)こともあります。

ドミナント9thの変化

ドミナントV7については、長9度を加える9thの他に、短9度を加えるb9th、増9度を加える#9thの変化が可能です。9thの音が加わることで和音の広がりが増加します。9thはいわゆる普通のサウンドに他ありませんが、半音の変化によって全く違う世界観を持つ和音にまで変化します。

ドミナント7+b9th

本来、1度と短9度(=短2度)は不協和音の一番手の美しくない響きとされます。オクターブ離れているとは言え、単純に考えれば不安定なのです。ただ、メジャーセブンス+b9thの和音は、根音を省略するとディミニッシュコードそのものになります。短9度の音が安定の8度に戻ろうとする働きも加え、トニックに戻るというドミナントの性格を強める音とも言えます。

ドミナント7+#9th

#9thの音が何かと言えば、増9度=短10度=短3度、つまり、マイナースケールの3度の音と同等と考えれます。ということは、メジャースケールを決定付ける3度(長3度)の音とマイナースケールを決定付ける3度(短3度)が混在するようなコード構成になります。響きとしては、かなり攻撃的な雰囲気を出すとも言えるでしょう。

テンションコードと感性

普段の音楽を学ぶ中では、テンションコードを意識する必要はないでしょう。テンション、サブドミナント、ドミナント、代理コードがある程度理解できれば、そこまでの段階でのコード理論は難しくはないでしょう。

ただ、テンションコードに手を出すとコード理論に幅が出すぎてしまい、難しく感じるものです。実際、ヤマハでエレクトーンをやってきても、テンションコードを教わった記憶はありません。基本的な代理コードのコード進行までですね。もちろん楽譜をみれば9th、11th、13thのテンションコードが括弧付けで書いてはありますが、実際には楽譜の音符を見ますから、そういうもんなのかな、という程度でした。

不思議なもので、9thの音の響きに興味を持ち、#9thの響きに驚きを覚え、テンションコードの領域に足を踏み入れてしまったのは幸不幸分かりませんが…。以前であれば感じることのできなかったものが、実際に理論として定着することで正しく感じ取ることができるようになったんだろう思っています。